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住み始めて、それから...

原状回復義務とは

借り手は原状回復義務を負います。しかし、部屋を元の状態にしなければならないのではありません。通常の生活でついてしまう劣化は負担義務はありません。「通常生活における自然消耗は大家さんの負担」であり、家賃に含まれていると判例も出ています。

レンタカーと同じです。車は走ればタイヤが減るもの、返す時にタイヤを新品の状態に戻す必要はない。部屋も不注意による損耗に負担は限られます。

通常の生活における自然消耗は以下のようなものです。

・テレビ、冷蔵庫、エアコンなどで出来た黒ずみ
・畳、壁紙の日光による日焼け
・壁紙、カーテンのヤニ汚れ
・画鋲による穴
・ハウスクリーニング

借り手が負担する不注意な消耗は以下のようなものです。

・カビや油汚れなどの発生
・プロレスごっこによる壁の穴
・畳、カーペットの煙草の焦げ跡

などです。

最も多い敷金トラブル

敷金とは、契約時に預けるお金で、入居中につけた傷や汚れなどの修繕費が差し引かれ、退室時に返金してもらうお金です。勿論、通常の生活でついてしまう劣化は負担義務はありません。

今まで借りる側も貸す側も、どこまでがどちらの負担になるか正しく理解していませんでした。そのため、敷金は部屋の賃貸借における一番のトラブルとなってきたのです。

現在は、国土交通省が敷金に関するガイドラインを公開しています。一度、通読してみるとよいでしょう。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

敷金は通常、解約1ヶ月後に返金されます。

入室時に部屋の写真を撮っておく

借り手は原状回復義務を負うと言いましたが、それは不注意によってつけた傷や汚れが対象です。当然、入居時に初めからついていた傷や汚れは負担対象ではありません。

入居時、最初に行うべきはその時点で既にある傷、汚れの確認です。全て写真に残しておきましょう。後々、入居前からあったなかったの水掛け論も起こりえますから、大事な証拠として保管しておきます。

他にもスマートフォンなどを使い、秘密録音(合法)するのも一つの手でしょう。

退去時の立ち会い

退去が決まると、その直前に原状回復に掛かる費用の見積もりが行われます。その時は必ず立ち会うようにしましょう。

見積もりは、大家さん(もしくは不動産業者)の見積もりに自分も立ち会う場合と、自分が退去した後に大家さん(もしくは不動産業者)が見積もり連絡してくる場合があります。

基本的には立ち会った方が安全です。この時、前述の入居時の写真が非常に役立ちます。大家さんの勘違い(意図的であっても)にも、写真という分かり易い証拠を見せる事で、過大な負担を回避出来ます。

立ち会わないと明らかに過大な請求されたりして、後々、面倒な交渉事をするハメになるかもしれません。

敷金トラブルの対処法

まずは内容証明を使おう

敷金の返金額に疑問があり、大家さんや不動産業者が取り合ってくれない場合、こちらの主張を相手に伝える方法として「内容証明郵便」を使いましょう。

内容証明郵便とは、手紙の内容と相手に届いた事を日本郵便が証明してくれる手紙です。これは後々、相手を提訴する際、役に立ちます。相手に送った手紙の日時が明確でなければ証拠能力は無く、それを見越して内容証明を打っておくわけです。

内容証明というのは、分かる人には相手は裁判も辞さない覚悟があると分かりますので、今までと異なった対応が期待出来ます。

それでも駄目なら少額提訴

話し合いも駄目、内容証明を送っても音沙汰無し。そうなったら最後の手段として「少額提訴制度」を利用します。

少額提訴は簡易裁判所における民事手続きの一つで、60万円以下の金銭トラブルを解決する一回の審理で判決の出る裁判制度です。

簡易裁判所に行けば、担当官が少額提訴のやり方、文章の書き方、添付資料の揃え方など教えてくれます。少額提訴は和解する事もでき、被告側の希望により通常の提訴手続きに移行する事も可能です。提訴は内容があまり複雑なものは扱い得ないので注意が必要です。

費用に関しては、「申し立て手数料(収入印紙)」「郵便切手」が必要になります。郵便切手とは、裁判所が提訴関係者に連絡を取る時に使う切手で(未使用なら後日返還)、訴える相手が1名なら5千円前後です。提訴費用は全面勝訴した場合、相手方負担となります。

請求金額 申し立て手数料(収入印紙)
訴額10万円以下 1,000円
訴額10万円超20万円以下 2,000円
訴額20万円超30万円以下 3,000円
訴額30万円超40万円以下 4,000円
訴額40万円超50万円以下 5,000円
訴額50万円超60万円以下 6,000円


代理人(弁護士など)を立てる時は、別途、費用が掛かります。

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