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アナリストという占い師

株はプロのいない世界

プロというとどんな人物を思い描くでしょうか。アマと比べて強い人、それで賞金などを稼ぎ生計を立てている人、人により様々でしょうが、共通するのはその分野で非常に優秀な人物という点でしょう。

株の世界にもアナリストやファンドマネージャーと呼ばれるプロが存在しています。多くの人が彼らを信じ、新聞や雑誌の有名アナリストの株価予測を読み、実際の売買の参考にします。彼らは難しい数式や投資理論を駆使して株価予想を行い、私達の資産運用の手助けをしてくれます。しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。

「なぜ彼らは親切にも儲かる情報を他人に教えてくれるんだろう?」

理由は単純明快で彼らの言う事を聞いても儲からないからです。本当に儲かる情報をなぜ他人に教える必要があるでしょうか? 他人に教えるくらいなら自分で儲けてしまうはずです。

株はゼロサムゲームであり誰かが得すれば誰かが損する世界なのです。原理的に参加者全てが儲ける事は出来ません。わざわざ教えてくれるという事は、すなわち彼らが自分達には未来の株価なんて分からないという告白なのです。

プロのいる世界とは逆でプロのいない世界も存在します。例えばコイン投げやサイコロ振りなどです。こういったものは何が出るかは偶然で決まるため、事前に予測出来る人などいません(イカサマが無い限り)。

効率的市場仮説が正しいとすれば、株の世界もコイン投げやサイコロ振りと同じであり、全ては偶然により決まるのだからプロなどいるはずがない。だからこそただの主婦とかニートが何億円と儲けたり出来るのです。偶然性が弱いプロが存在する世界ではこんな事はあり得ない。算数の成績1の人物が、大学の数学教授に偶然勝つなどあり得ないでしょう。

これを裏付けるデータもあります。アメリカでは何度となく市場平均とプロのファンドマネージャーが運用するファンドのパフォーマンスが比較されてきました。その結果は長期的に見るとアクティブファンドの6~7割は市場平均に負けているというものでした。アクティブファンドは人件費などにより割高な手数料の分だけどうしても不利になるのです。これはアメリカだけに限った事ではなく日本でも同じです。1996年~2005年で市場平均をアクティブファンドの半数が超えられたのは4回だけだったという結果が出ています。

カリスマトレーダーの正体

彼らが実際は株価がどうなるか分からず、適当な事を専門用語でそれっぽく言っているだけなら、なぜ彼らは失業しないのでしょうか? ファンドマネージャーといった金融のプロは明らかにホワイトカラーであり、優秀な人物なら年収何千万という世界です。嘘しか言わない役立たずならすぐお払い箱になるはずです。

これは株の世界に限った話ではなく、他の多くの世界で見掛ける評論家と呼ばれる人種に共通して見られる事ですが、彼らは自分達を優秀に見せるいくつかの手口を使い、その地位を安定させているのです。

まず適当な予想をします。人は平和な話より恐怖を煽る話に食いつくため、そういう予想にします。例えば「3年後、日本のGDPは10%低下している」と言ったとしましょう。そして3年後、本当にその通りになったら自分は3年前に予測していたと騒ぎます。誰も予想出来なかった日本経済の未来をズバリ当てた人間として話題になるでしょう。

外した場合は黙っておきます。正解が出るのは3年後なんですから誰も覚えていません。つまり皆当たった事した覚えていない。こういった詐欺みたいな予想を専門用語を散りばめてそれっぽく主張すればいいだけです。何度もやればカリスマ評論家になれるでしょう。

しかし、あまりにも外れが続けば流石に信用を失います。そこで全て二元論で予想するのが賢明です。○○は成功するか失敗するか、結果は2通りしかないのでコイン投げと全く同じ。適当に言っても半分は当たるわけです。

それでもアクティブファンドが儲かりそうな気がする

証券会社の広告などを見ていると、やっぱりプロの運用するファンドは儲かっているという印象を受けるかも知れません。証券会社は年に何本も新たな投信を発売し、その中の好成績を残した投信だけを宣伝するため、プロはやっぱり凄いという印象を受けるだけです。

成績が悪ければ宣伝しませんし、最悪償還してしまいます。償還とは売れない、解約が相次いだなどの理由で純資産総額が少なくなって、投信自体が消滅してしまうという事です。なぜ売れなかったり解約が相次ぐのかは言わずもがなです。

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